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君にすすめる一冊の本(WEB版)2024年度


紹介されている本はメディアセンターに所蔵していますので是非読んでみてください!

君にすすめる一冊の本(WEB版)2024年度

『思いがけず利他』

『思いがけず利他』の表紙

中島岳志(著)
発行:ミシマ社
出版年:2021年
価格:1600円+税



【推薦者】増井由紀美 先生(国際学部)

*コメント*
どういう意味?と立ち止まってしまうタイトルである。ただ、読み終わると、なるほどと納得している自分がいる。自己中とは対極にある「利他」が、「思いがけず」という副詞に導かれているのが斬新だ。利他的行為の前には意識が存在するはずで、「思いがけず」という言葉は「無意識」と馴染む。けれども著者が語る立川談志やヒンディー語の世界に引き込まれながら、やがて、「利他」は「やってくる」と気づき、温かい気持ちになっている。
『俺たちの箱根駅伝』(上?下)

『俺たちの箱根駅伝』(上)表紙

池井戸潤(著)
発行:文藝春秋
出版年:2024年
価格:各1,800円+税


【推薦者】大久保利宏 先生(澳门皇冠体育_皇冠体育app-在线*投注)

*コメント*
私は学生の時、箱根駅伝大手町のゴールで毛布を広げて同級生のランナーを迎えたことがある。当時の箱根駅伝は、一般国道を学生の駆けっこで利用させていいのかという批判や、交通整理や警備の関係で廃止を求める声が強かった。テレビの全レースをテレビ中継することもなかった。
それが、今では視聴率が30%超し、沿道にはファンが押し寄せるというマンモスイベントに発展した。日本発祥であるEKIDENというスポーツ文化を知ることができる。
『勘違いが人を動かす』
―教養としての行動経済学入門 

『勘違いが人を動かす』表紙

エヴァ?ファン?デン?ブルック/ティム?デン?ハイヤー(著)/児島修(訳)
発行:ダイヤモンド社
出版年:2023年
価格:1,700円(+税)




【推薦者】小島憲明 氏(役員)

*コメント*
私たちの行動は、思いも寄らない何かに影響されている。
それは人間の先入観や偏見といった「勘違い」が原因となって現れる。それらの「認知バイアス」を紹介しながら、その現象を具体的に述べてる。例えば、銘柄を隠してコーラの飲み比べをすると、一番売れているコーラが必ずしも一番美味しいと評価されているわけではない。これらの「認知バイアス」を理解することで、人間の行動や、その裏にある科学の面白さを紹介している一冊である。
『午前三時のルースター』

『午前三時のルースター』表紙

垣根涼介(著)
発行:文藝春秋/文春文庫
出版年:2003年
価格:750円(+税)


【推薦者】高岡正幸 氏(役員)

*コメント*
昨年「極楽征夷大将軍」で直木賞を受賞した垣根涼介のデビュー作である。ベトナムを舞台に、良質のサスペンスアクション映画を見るような本である。沢木幸太郎の夜行特急を思わせるような面白さと、作者は旅行関係に従事したことからベトナムの20年前ぐらいの社会を丁寧に描いている。
『下北沢について』

『下北沢について』表紙

吉本ばなな(著)
発行:幻冬舎/幻冬舎文庫
出版年:2019年
価格:500円(+税)



【推薦者】金珍淑 先生(澳门皇冠体育_皇冠体育app-在线*投注)

*コメント*
古着屋で有名な下北沢。アーティストや個性豊かな中小個店の参入が続き、若者に支持されるサブカルチャーを発信する街です。
作家の吉本ばななさんも、下北沢の魅力に惹かれて定住したアーティストの一人です。「どうしようもないくらいたくさんのいろんな人がここで泣いて、笑って、飲んで、吐いて、夢破れて、恋破れて、あるいは幸せを見つけて、同じようにくりかえしこの道を歩いた…」そんな街をみなさんも歩いてみませんか。
『新興国は世界を変えるか』―29ヵ国の経済?民主化?軍事行動

『新興国は世界を変えるか』表紙

恒川惠市(著)
発行:中央公論新社/中公新書
出版年:2023年
価格:860円(+税)



【推薦者】高岡正幸 氏(役員)

*コメント*
佐原高校同窓生から、友人が読売吉野作造賞を受賞した本だからといただいた。読んでみると、目からうろこであった。第一次対戦の前、アルゼンチンとチリは天然資源や農畜産品の輸出で、日本の倍以上のGDPを誇ったが、その後の恐慌や国策の失敗で凋落したことや、マレーシアが建国の際、極端に華僑やインド系を排除して国づくりをしたため、現在のシンガポールとの差になった話など。あのジョホール海峡を渡って水や食料をすべて輸入しているシンガポールにマレーシア人が毎日数十万人も海峡を渡り隣国に働きに行く様子が頭に浮かんだ。
『地名散歩』―地図に隠された歴史をたどる

書影はなし

今尾恵介(著)
発行:KADOKAWA/角川新書
出版年:2023年
価格:920円(+税)




【推薦者】向山行雄先生(教育学部)

*コメント*
小学校社会地図帳は面白い。地図を「読める」と世界が広がる。
本書は各地の地名から学び、旅をするための手引き書。地名に隠され秘密を知ると、地域の見方が変わる。名古屋にある〒454-0944の土地は、全域が河川敷の中。この番号を書く人は誰もいない。このような河川敷だけの〒番号は全国に他にもある。自分の住所や郵便番号の言えない児童が激増している今、教師には地図を読み、地域理解を深める指導力が必要だ。本書で学びたい。
『訂正する力』

『訂正する力』表紙

東浩紀(著)
発行:朝日新聞出版/朝日新書
出版年:2023年
850円(+税)



【推薦者】小島憲明 氏(役員)

*コメント*
著者は、日本には訂正を嫌う文化があり、いちど決めた計画は変更しない。自分の意見をわずかでも異なる意見を述べると、集中砲火を浴びて炎上する。この状況を根底から変える必要があると訴えている。そのためには、まちがいを認めて改めるという「訂正する力」を取り戻すことであると述べている。訂正する力は「聞く力」でもあり、相手の話を聞き自分の意見を変える力が「訂正する力」である。本屋大賞受賞作でもあり一読をお勧めします。
『トヨタ中国の怪物』―豊田章男を社長にした男

『トヨタ中国の怪物』表紙

児玉博(著)
文藝春秋
出版年:2024年
1,700円(+税)




【推薦者】小島憲明 氏(役員)

*コメント*
中国進出に出遅れたトヨタを、奥田碩と豊田章男が社長の時代に、世界のトヨタにふさわしい確固たる拠点を作り上げた物語。
その陰には中国で生まれ育った日本人の服部悦雄がいた。服部は優秀な学生であったが、中国の「大躍進運動」「文化大革命」の時代に強制労働などの厳しい苦難を生き抜いた。戦後トヨタに入社し、中国語が堪能であったことから中国への進出の責任者となり、トヨタと中国の自動車会社の統廃合に尽力した。この服部の凄まじい生き方とその時代の中国の国内情勢が詳しく描かれた手ごたえのある一冊である。
「難死」の思想

『難死の思想』の表紙

小田実(著)
発行:岩波書店/岩波現代文庫
出版年:2008年
価格:1,300円(+税)



【推薦者】増井由紀美 先生(国際学部)

*コメント*
私たちはウクライナの、そしてガザの惨状が日々動画で流れてくる時代に生きている。日本は終戦から79年だが、高齢者の中には記憶に残る風景と重ねる人も多い。著者小田実は中学1年で大阪大空襲に遭い、その恐怖を「地獄の午後」と表現している。市民の死を「難死」と呼び、兵士に与えられた「散華」(公的な意味を持つ)とは対照的だと明示し、「難死」を見つめ、捉え直すことで、個人が民主主義的な行動へと導かれると説く。
『反応しない練習』―あらゆる悩みが消えていくブッダの超?合理的な「考え方」

書影はなし

草薙龍瞬(著)
発行:KADOKAWA
出版年:2015年
価格:1,300円(+税)



【推薦者】向後秀明 先生(国際学部)

*コメント*
他者が自分のことをどう思っている(評価している)か、気になりますよね。SNSで自分の情報を発信して、それに対する様々な反応に一喜一憂する-そのようなことに多くの時間を使ってしまうことがあると思います。人間は常に「反応する」存在ですが、そのことで心身が疲弊してしまうというのは皮肉な結果です。
「感情を、上げもせず、下げもしない」、そんな考え方や生き方があるということを知るのも何かの役に立つかもしれません。
『広島平和記念資料館は問いかける』

広島平和記念資料館は問いかける

志賀賢治(著)
発行:岩波書店/岩波新書
出版年:2020年
価格:860円(+税)



【推薦者】山田隆昭 氏(職員)

*コメント*
機会があればぜひ広島平和記念資料館を訪れてみてください。
私も何十年かぶりに訪れてみて、二度とこのような悲劇が繰り返されてはいけないとあらためて強く感じました。広島まで行くのはなかなか難しいとも思いますので、まずはこの本を読んでみてください。
『ミライの源氏物語』

『ミライの源氏物語』表紙

山崎ナオコーラ(著)
発行:淡交社
出版年:2023年
価格:1,600円(+税)



【推薦者】増井由紀美 先生(国際学部)

*コメント*
古典は永遠に挑戦されます。つまり、新しい切り口で解釈され紹介されて来ました。世界最古の長編小説『源氏物語』は複数の外国語に翻訳され、日本語訳も数多出ています。漫画もあれば舞台もあります。本書は出版半年で5刷という売れ行きですが、面白さの秘密は平安時代の価値観を現代の感性で斬ってみたところでしょうか。「ブス」とか、そんなはっきり言う?「ロリコン」ってやばくない?女子同士の「マウンティング」って、そんな昔から?
『リヴィエラを撃て』(上?下)

髙村薫(著)
発行:新潮社/新潮文庫
出版年:1997年
価格:【上】800円(+税)【下】670円(+税)



【推薦者】高岡正幸 氏(役員)

*コメント*
スパイ小説だが、まるでイギリスやアイルランドの文化や風土を読みながら、旅行しているような気分にさせる。著者の直木賞受賞作「マークスの山」と同じような、精密な推理小説である。厳しい設定を描いていながら、どこかホットするものがある。
私は、映画007の最高傑作はダニエル?クレイグの「スカイフォール」だと思っているが、あの映画を彷彿とするような場面が多くあるのも楽しい。